IMG_7520夜まで待てない横浜美術館に奈良美智の作品展「君や 僕に ちょっと似ている」を見てきました。横浜では10年ぶりの個展開催で、作品はすべて3.14以降のラインアップだそうです。ゲートを入るといきなり巨大なオブジェ(画像)が迎えてくれ、憎たらしい少女の独特な表情に出会えます。

最初の展示室には彫刻が8点。そのためのエスキースや石膏も置いてありました。銀色・金色・黒・灰色の地味なブロンズばかりが暗い部屋の中に点在していて、なにやら今までとは異なるアプローチが感じられます。僕のような凡人にはやや単調に思われるのですが、その中で「樅の子」というクリスマスツリーに女の子の顔がくっついている作品に妙に惹かれました。他の展示室には、見慣れた憎らしい女の子の絵がたくさんありました。奈良さんが作り出す作品は時に挑戦的であり、またある時には瞑想しているような憂いを帯びた多彩な表情を見せてくれます。そこには、可愛らしさの奥底に 秘められた強い意思や、言葉にできない感情といった人間の奥深さが表れ、見る者の想像力をかきたてる魅力を秘めています。「夜まで待てない」という作品が僕のお気に入りなのですが、この作品に限らず奈良さんの描くどことなく邪悪な印象の女の子に込められたメッセージを探る、それが何とも面白いわけですね。

サブカルチャー的な毒が隠れていて、真剣に作品を鑑賞すると結構しんどいですが、コマーシャリズムに受けそうなとっついき易い作品ばかりですので、気軽に知的な刺激を受けたいという人も問題なく楽しめます。BGMに大げさな現代音楽が流れていない点もすっきりしていて良いですね。